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古物商許可証とは?いつ必要?取り方を7STEPで徹底解説

不用品回収

2023年8月29日

・古物商許可証ってなに?
・どんなときに必要なの?
・古物商許可証の取り方を知りたい

近年は中古品のリユースやリサイクルの市場が伸びており、メルカリなどを使って個人間における中古品の取引も活発化しています。副業解禁という流れもあり、会社員でもせどりなどをする人も増えています。

実は、事業として中古品を売買などする場合、古物商許可証が必要だとご存知でしょうか。
古物営業法で定められたルールを守らないと罰則の対象になることも。

本記事では、
・古物商許可証とはいったい何か?
・古物商許可証が必要なケースと不必要なケース
・古物商許可証を取るための具体的7STEP

をわかりやすく解説します。

適切な中古品の扱い方を身につけ、うっかり法律違反をしないようにしましょう。ぜひ最後までご覧ください。

古物商許可証とは?

古物商許可証とは、事業として中古品の売買やレンタルをする場合、個人・法人にかかわらず必要とされる許可証です。

古物営業法で定められた資格であり、無許可で営業すると3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。違反すると営業停止が言い渡され、古物商の資格を5年間取れなくなってしまいます。


そもそも「古物」とは中古品のことを指し、「古物商」とは中古品を扱って商売する人を指します。

また、古物の定義は次のとおりです。
・一度使用したもの
(例)自分が一回でも使ったもの

・使用されない物品で使用のために取引されたもの
(例)新品で使う目的で買ったけど、実際には使っていないもの

・これらの物品に幾分の手入れをしたもの
(例)修理したようなもの

中古品販売などで古物商許可証が必要な理由は、盗品売買を防止し、すみやかな発見・解決をするためです。知らずに盗難された品物を売りに出すと、盗品が流通するおそれがありますので、犯罪防止の観点からも中古品を仕入れる側に許可を与える仕組みになっています。

古物商許可証が必要なケース

古物商許可証があればできることは次の7つです。

・古物を買い取って売る(転売)
・古物を買い取って修理などして売る
・古物を買い取ってレンタルする
・古物を買い取って別の品物と交換する
・古物を買い取って分解し、使える部品を売る
・古物を預かり、売れたら手数料をもらう(委託販売)
・国内で買い取った古物を海外に輸出して売る

今月も来月も継続的に利益目的で古物を仕入れて売る行為は、営業行為にあたりますので古物商許可証をきちんと取得しましょう。

メルカリやラクマ、ヤフオク、BASEなどで古物を販売するときも注意が必要です。

古物の売買によって継続的な利益を目的とするのであれば、古物商許可証が必要ですのでお忘れなく。

古物商許可証が不必要なケース

次のように新品を仕入れて売る場合や、使わない不用品を売るだけであれば、古物商許可証は不要です。

・新品を買って売る
・自分の使用目的で購入したものを売る
・タダでもらったものを売る
・海外で購入したものを売る
・電子チケットなど実体がないものを売る
・化粧品・お菓子など消費してなくなるもの
・過去に自分が売ったものを相手から買い戻す

「自分の使用目的で購入したものを売る」場合は、まさにメルカリでの不用品販売が該当します。

ただし、海外から仕入れるケースは注意しましょう。
あなた自身で海外から仕入れた中古品を国内で売るのであれば古物商許可証は要りませんが、海外から仕入れたつもりが日本国内の業者を通して輸入されているケースなどは古物の売買に該当しますので、古物商許可証が必要になります。

また、
・お酒は酒類小売業免許
・化粧品は化粧品の製造免許
・電子チケットは不正転売防止法

など、別の法律が絡んでくる可能性がありますので、古物商許可のみで安易に判断しないように注意しましょう。

古物商許可証の申請方法【7STEPで解説】

古物商許可証は個人でも取れますので、下記を参考にトライしてみてください。

申請までの7つの手順は次のとおりです。
・【STEP1】条件を確認する
・【STEP2】個人・法人の区分を決める
・【STEP3】取り扱う品目を決める
・【STEP4】警察に相談・確認する
・【STEP5】必要書類を準備する
・【STEP6】書類を提出してお金を納付する
・【STEP7】審査が終われば取得できる

では、順番に解説します。

【STEP1】条件を確認する

まずは下記の条件に該当しないか、あなた自身が古物商許可証を取れるかをチェックしましょう。

・破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者
・一定の犯罪を犯して5年未経過
・暴力団員
・住所が不定
・公務員
・古物商許可証を取り消されて5年未経過
・心身の故障などにより業務を適正に行えない者
・18歳未満の未成年者
・成年被後見人、被保佐人
・外国籍で適切な在留資格がない
・営業場所を用意できない

【STEP2】個人・法人の区分を決める

個人なのか法人なのかで申請書類が変わりますので、どちらで申請するかを決めましょう。

個人で取得するなら個人で営業、法人で取得するなら法人で営業しなければなりません。

たとえば、個人事業主として古物許可証を取得したものの、その後に法人成りした場合であれば、法人として再取得しましょう。そのまま個人として営業してはいけませんのでご注意ください。

また、親会社に古物商許可証があっても子会社などにない場合、営業するのであれば子会社も古物商許可証を取らなければなりません。

【STEP3】取り扱う品目を決める

中古品として取り扱う品目を決めて申請します。

古物営業法では以下の13品目に分類されます。

分類 品目例
1 美術品類 書画、彫刻、工芸品、登録日本刀など
2. 衣類 着物、洋服、帽子、敷物類、布団、布製品など
3. 時計・宝飾品類 時計、眼鏡、宝石、装身具、貴金属、オルゴールなど
4. 自動車 タイヤ、エンジン、カーナビ、サイドミラーなど、その部分品を含む
5. 自動二輪車および原動機付自転車 タイヤ、エンジン、サイドミラーなど、その部分品を含む
6. 自転車類 かご、空気入れなど、その部分品を含む
7. 写真機類 カメラ、レンズ、ビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、光学機器など
8. 事務機器類 レジスター、タイプライター、計算機、コピー機、ワープロ、ファクシミリ装置、パソコンなど
9. 機械・工具類 電機類、工作機械、土木機械、化学機械、工具、家庭用ゲーム機、家庭用電化製品、医療機器、電話機など
10. 道具類 家具、什器、スポーツ用品、楽器、磁気記録媒体、蓄音機用レコード、玩具、トレーディングカード、CD、DVDなど
11. 皮革・ゴム製品類 カバン、靴、毛皮類、化学製品など
12. 書籍
13. 金券類 商品券、航空券、郵便切手、収入印紙、テレホンカード、株主優待券、コンサートチケット、ビール券など

参考:e-GOV『古物営業法施行規則』

申請時には複数の項目をチェックできますが、項目数が多いほど警察からの盗品調査の対象になる可能性が高まります。不要な手間を減らすためにも、ひとまず扱うことが決まっている品目を選びましょう。項目の追加は後からでもできます。

【STEP4】警察に相談・確認する

古物商許可証の申請は、営業所をかまえる地域を管轄する警察署の生活安全課係に届け出をします。

可能であれば警察署へ直接行き、下記を確認しましょう。
・必要書類
・用意するもの
・いつ申請に行けばいいか

書くときの注意点や必要書類の案内を直に受けられるからです。


なお、営業所とは古物の売買などをする拠点となる場所を指しますが、
・駐車場
・古物を保管するだけの倉庫
・古物の売買などの古物営業を行わない場所
・バーチャルオフィスなど実体がない場所

上記のような場所は営業所に該当しません。

【STEP5】必要書類を準備する

申請書類は警視庁のホームページからダウンロードできます。
古物商許可申請書や略歴書の記載例もありますので、こちらをチェックしてみてください。

個人か法人かで種類や枚数が異なりますし、管理者が別にいる場合は申請者と管理者でそれぞれ書類を揃える必要があります。

【個人で申請するとき】

書類 補足事項
古物商許可申請書
住民票の写し ・本籍地の記載がある取得して3ヶ月以内のもの
・マイナンバー付きは使用できない
身分証明書 ・取得して3ヶ月以内のもの
・身分証明書とは、 成年被後見人、準禁治産者および破産者でないことの証明 ※免許証や保険証のことではない
略歴書 ・過去5年間の自分の経歴を書く
・空白期間のある略歴書は受理されないので、たとえば無職なら具体的にその期間何をしていたかを明記する
誓約書

身分証明書を取るときに住民票に記載のある本籍地や住所が必要になりますので、先に住民票をとる方がスムーズに手続きできます。

【法人で申請するとき】

個人で申請するときに必要な書類に加えて、下記の書類を揃えましょう。

書類 補足事項
履歴事項全部証明書 ※現在事項証明書は受理されない
定款の写し 原本証明をする必要がある

【場合によって必要な書類】

書類 補足事項
URLの使用権限を疏明する書類 インターネットで古物を売買するときに必要
営業所の使用権限を明らかにする書類 ・自己所有だと、土地・建物登記簿謄本の写し、権利書の写し、固定資産税納付証明書の写し
・家族所有だと、使用承諾書、使用権が明らかになる書類
・賃貸だと、使用承諾書や賃貸契約書
営業所の見取り図や周辺地図

管轄の警察署により異なりますので、事前にチェックしておきましょう。

【STEP6】書類を提出してお金を納付する

いよいよ書類が整えば、管轄する警察署の生活安全課係へ提出します。

このとき事前に電話アポを取っておけば、
・窓口の受付時間
・混雑具合
・担当者の都合

などに左右されることを防げます。


持ち物は次のとおりです。
・印鑑
・筆記用具
・お金(19,000円)
・身分証(免許証・保険証など)
・委任状(申請者本人以外や、法人代表者以外が申請する場合)

印鑑を持参しておけば、その場で訂正できるので便利ですよ。

手数料でかかる19,000円は現金で用意しましょう。
県証紙を購入する場合や、現金で支払う場合などがありますが、いずれにせよ現金を支払う必要があるからです。

【STEP7】審査が終われば取得できる

40日前後で審査が完了しますので、警察署から電話が来たら古物商許可証を取りに行きます。

取得後にすべきことは主に3つです。
・古物商プレートを作成する
・プレートを営業所(自宅)に掲示する
・古物台帳を購入し、売買履歴を記入する

古物商プレートを作成する

営業所にはプレートの掲示をしなければなりませんので、古物商プレートを作りましょう。

警察署で申し込み、防犯協会で作成するパターンですと、3,100円くらいで作れます。
署内で作成することもあります。

もしくはインターネットなどから手配してもかまいません。
1,000円〜2,000円程度で作れますが、定められる規格・記載内容と完全一致する必要がありますので気をつけましょう。

プレートを営業所(自宅)に掲示する

門柱や表札付近でなくても、家の中の見えやすい場所であれば問題ありません。

玄関に備える人も多いようです。

古物台帳を購入し、売買履歴を記入する

データの記録でも問題ありません。

記載すべき事項は次のとおりです。
・取引の年月日
・古物の品目と数量
・古物の特徴

たとえば、
・ロレックス
・型番〇〇
・カラー:シルバー
・文字盤に傷あり

などと記録し、
相手方の住所や氏名、職業、年齢、相手方を確認した方法もあわせて記録しましょう。

なお、帳簿の保存期間は最終記載日から3年間です。

まとめ

今回は中古品の売買などを事業としてするには必須の古物商許可証について解説しました。

本記事をまとめると、
・古物商許可証は盗品売買の防止などの観点より、事業として中古品を扱うときに取得が求められる古物営業法で定めらた許可証
・メルカリやヤフオクなどでも、古物を扱って継続的に利益を求める場合は古物商許可証が必要
・新品の販売や不用品販売などは、古物商許可証がなくてもできる
・法律に反すると3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる
・古物商許可証は7つの手順で個人でもかんたんに取得できる

不用品回収業者においても、古物商許可証がないのに不用品の買取などをすることは許されませんし、信用を大きく落としてしまいます。

事業として古物の売買などをするからには、法律をきちんと守るためにも必ず古物商許可証を取得しましょう。

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